整骨院の往療、患者の希望だけでOK?
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「足が痛くて通えないから、家に来てほしい」。患者さんからそう頼まれる場面は、整骨院でよくあると思います。
ただ、保険の往療料は「患者さんの希望があれば算定できる」というものではないとされています。
この記事の結論
- 往療は、往療の必要がある場合に限って行うものとされています。
- 歩行困難などで安静が必要な、真にやむを得ない理由があり、患家の求めに応じて行った場合が算定の対象とされています。
- 患者さんの希望のみによる往療や、定期的・計画的に患家へ赴いて行う施術は、算定できないとされています。
どんな場合に算定できる?
厚生労働省の関係機関が示す「算定基準の実施上の留意事項」(保医発0524第1号、平成30年5月24日付最終改正)では、下肢の骨折・不全骨折、股関節脱臼、腰部捻挫などで歩行が困難となり、真に安静が必要なやむを得ない理由がある場合に算定できるとされています。
あわせて、患家の求めに応じて患家に赴いて施術したことが要件とされています。
算定できない典型例
- 患者さんの希望だけで行った往療
- 定期的・計画的に患家へ赴いて行う施術
- 同じ建物の複数の患者さんへの往療を、別々に算定すること(やむを得ない理由がある場合を除く)
「通うのが面倒だから」という理由は、やむを得ない理由とは認められにくいと考えられます。
距離と申請書の書き方
往療距離は、施術所と患家の直線距離で計算するとされています。片道16kmを超える往療は、施術所から往療が必要な絶対的な理由がある場合に限られ、理由がなく患家の希望で行った場合は、往療料は全額患者さんの負担になるとされています。
申請書の「摘要」欄には、歩行困難などやむを得ない理由を記載し、往療した患家までの直線距離や回数も記載するとされています。
チェックリスト
- ☐ 往療の必要性(歩行困難等)を確認した
- ☐ 患家の求めがあったことを記録した
- ☐ 定期的・計画的な訪問になっていない
- ☐ 距離を直線距離で計算した
- ☐ 申請書の摘要欄に理由を記載した
よくある質問
Q1. 往療料の金額は決まっていますか?
A. 金額は算定基準で定められていますが、改定されることがあります。最新の算定基準を、地方厚生局や関係団体の案内でご確認ください。
Q2. 加算はありますか?
A. 難路・暴風雨雪・夜間の加算が定められているとされています。要件は細かいため、実施上の留意事項でご確認ください。
まとめ
往療は、希望ではなく「必要性」と「記録」が大切です。
「うちの往療の運用が大丈夫か整理したい」という段階のご相談で構いません。受領委任の届出や書類の整理をお手伝いします。報酬請求の個別判断は、管轄の厚生局や関係団体へご確認ください。

