貨物自動車運送事業法関連9:営業所間のIT点呼(ストーリー)
登場人物は全員、同じ「〇〇運送」という会社のメンバーです。
- Aさん:A営業所(東京)の運行管理者(資格を持つリーダー)
- Bさん:B営業所(神奈川)の運行管理者
- Cさん:B営業所(神奈川)のドライバー(運転手)
- Dさん:A営業所(東京)の運行管理補助者(資格のない見習い・お手伝いさん)
【その中で大切な解説】これが試験に出るIT点呼のリアルな現場!
夕方、神奈川のB営業所で、ドライバーのCさんが仕事を終えて帰ってきました。
本来なら、同じ営業所にいる運行管理者のBさんが直接顔を合わせて点呼(対面点呼)をすべきですが、Bさんは他のお客さんの対応で大忙しです。
そこで、東京にあるA営業所とパソコンの画面を繋いで、IT点呼を代行することになりました。
実際のやり取り
- ドライバーのCさんが、B営業所のパソコン前でアルコールチェッカーに息を吹き込みます。
- 測定結果が、東京のA営業所のパソコン画面にリアルタイムで届きます。
- 画面の前に立っているのは、運行管理者のAさんです。
Aさん:「Cさんお疲れ様!お酒はゼロ、顔色もいいね。今日のトラックの様子や体調はどう?」
Cさん:「車も体調もバッチリ、異常なしです!」
これで点呼は無事に成立です。
⚠️ 試験に絶対出る超重要ひっかけ!
もしここで、運行管理者のAさんがトイレ席を外したため、見習い(補助者)のDさんが代わりに画面の前に立って、神奈川のCさんをIT点呼したらどうなるでしょう?
試験ではこれが「絶対にダメ(違反)」として出題されます!
- IT点呼(画面越し)をしていいのは『運行管理者』だけ!
- 『運行管理補助者(見習い)』は、画面越しのIT点呼をしてはいけません。
補助者(Dさん)がやっていい点呼は、自分の目の前にドライバーがいる「対面点呼」のときだけです。遠く離れた別の営業所のドライバーを画面越しに点呼する重大な仕事は、資格を持つプロ(運行管理者)しか認められていません。
さらに、このストーリーが成り立つには、以下の必須キーワードのクリアも必要です。
- この会社は、安全な会社だと国から認められた「Gマーク(安全性優良事業所)」を持っている。
- Aさんがこの日、画面越しにIT点呼を行えるのは「連続16時間以内」である。
【条文翻訳】この法律が本当に伝えたいこと
「同じ会社の仲間であっても、遠く離れた別の営業所のドライバーを画面越しにチェックする(営業所間)のは、直接会うよりも見極めが難しい、とても責任重大な仕事です。だから、見習い(補助者)の人に任せてはいけません。必ず、試験に合格したプロである『運行管理者』本人が画面の前に立って、1日16時間以内という制限を守り、不正ができない最新のIT機器を使って責任を持って点呼をやりなさい」
国は、同じ会社かどうかよりも、「離れた場所にいる人を点呼する」ことのリスクを重く見ています。そのため、行う人を「運行管理者」だけに限定し、安全の責任を厳しく守らせようとしています。
【関係条文】貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(抜粋)
営業所間においてIT点呼を実施する場合は、IT点呼を行う者は、当該営業所に選任されている運行管理者でなければならない(※運行管理補助者は行うことができない)。
また、IT点呼を実施する営業所のいずれもが安全性優良事業所(Gマーク)として認定されていること。その実施は、1営業日のうち連続する16時間以内とする。

