従業員に対する指導・監督その2
運行管理者の試験で狙われやすい「特別な指導(指導及び監督)」について、さらに深掘りして解説します。
テストに出る重要キーワード
- 初任運転手(初めてトラックに乗る人など)
- 高齢運転手(65歳以上の人)
- 事故惹起者(じこじゃっきしゃ)(重大事故を起こした人)
- 座学15時間以上・実技20時間以上(初任運転手の義務)
- 3年間保存
ストーリーで学ぶ:特別な指導の対象とルール
【登場人物】
- 運行管理者のブライトさん
- 運転手のアムロさん
営業所に、新しい新人ドライバーが入社することになりました。ブライトさんは指導計画を立てながら、アムロさんに話しかけます。
「アムロ、来週から新人が入る。会社には、特定のドライバーに対して『特別な指導』を行い、その記録を3年間保存する義務があるんだ」
アムロさんは不思議そうに尋ねます。「特別な指導が必要な人って、どんな人たちなんですか?」
ブライトさんは指を3本立てました。
「覚えるべき対象は3グループだ。
1つ目は、新しくプロの仲間入りをする『初任運転手』。
2つ目は、心身の変化に気を配るべき65歳以上の『高齢運転手』。
3つ目は、死傷事故などの重大事故を起こしてしまった『事故惹起者』だ。
この3グループには、一般のドライバー向けとは違う、個別のメニューで手厚い安全教育を行わなければならない」
「なるほど。対象によって教える内容や時間が変わるんですね」
「その通りだ。特に試験に出るのが『初任運転手』へのルールだ」とブライトさんは声を強めます。
「初めてトラックを運転する新人には、トラックの特性や事故事例を学ぶ座学を15時間以上、そして実際に先輩が横に乗って運転を教える実技(乗務)を20時間以上、必ず行わなければならない。これは数字がそのままテストに出るからな。
そして、この特別な教育を行った日時や内容は、すべて記録して3年間保存する。教育をサボることも、記録をすぐ捨てることも絶対に許されないんだ」
アムロさんは身が引き締まる思いでメモを走らせました。
この法律の目的(何を禁止し、何を守らせたいか)
この法律は、「慣れていない新人や、体調の変化があるベテラン、事故を経験した人に、何のケアもせずいきなり一人で走らせること」を禁止するために作られました。
本当に守りたいものは、「本人の命と、周囲を巻き込む大事故の防止」です。リスクの固まりになりやすいタイミングを会社がしっかり見極め、特別な教育を義務付けることで、プロとしての安全な運行を約束させています。
関係する法律条文
(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条、および国土交通省告示より抜粋・要約)
第10条(従業員に対する指導及び監督)
貨物自動車運送事業者は、乗務員が遵守すべき事項その他運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び知識を習得させるため、乗務員に対する指導及び監督を行わなければならない。(国土交通省告示 第1366号より)
貨物自動車運送事業者は、初めてトラックに乗務する者(初任運転手)、65歳以上の者(高齢運転手)、事故を引き起こした者(事故惹起者)に対し、国土交通大臣が定める特別な指導(初任運転手には15時間以上の座学及び20時間以上の実務等)を行わなければならない。この指導の記録は三年間保存しなければならない。
