貨物自動車運送事業法関連8:中間点呼が必要になる条件とやり方

登場人物は以下の2人です。

  • 運行管理者:営業所で待機している運行管理の責任者。
  • ドライバーAさん:東京の営業所を出発し、大阪で1泊して、翌日東京に帰ってくる長距離スケジュールの運転手。一泊二日の仕事です。

【その中で大切な解説】これが試験に出る中間点呼ストーリー!

ドライバーのAさんは、月曜日の朝に東京の営業所で「乗務前点呼」をバッチリ受けて、大阪へ向けて出発しました。
大阪でお仕事を終えたAさんは、月曜日の夜は大阪のホテル(またはトラックの仮眠ベッド)で泊まります。そして、翌火曜日の朝に大阪を出発し、火曜日の夕方に東京の営業所へ帰ってきて「乗務後点呼」を受けます。

ここで問題が発生します。
月曜日の夜(乗務後)も、火曜日の朝(乗務前)も、Aさんは大阪にいるため、東京にいる運行管理者と直接顔を合わせる(対面点呼する)ことができません

このように、『乗務前と乗務後のどちらも対面で点呼ができないとき』に、法律は運行管理者に対し、「運行の途中で、絶対に1回は電話などで点呼をしなさい!」と義務付けています。これが中間点呼です。

実際のやり取り(月曜日の夜、または火曜日の朝に電話などで行う)

  1. ドライバーAさんが、大阪から東京の運行管理者に電話(またはIT点呼など)をかけます。
  2. Aさん(報告すること)
    「運行管理者さん、お疲れ様です。無事に大阪に到着しました。体調は万全で、睡眠不足や疲労もありません。トラックの調子も異常なしです!」
  3. 運行管理者(確認すること)
    「Aさん、お疲れ様。携行しているアルコールチェッカーで、今すぐお酒のチェック(酒気帯び確認)をしてください」
  4. Aさんがその場で息を吹き込み、お酒が「ゼロ」であることを運行管理者が電話の音声やスマホの画面などで確認します。これで中間点呼は完了です。

⚠️ 試験に出る超重要ひっかけ

試験問題では、「乗務前または乗務後のいずれかが対面で行うことができない乗務員に対し、中間点呼を行わなければならない」というひっかけが連発されます。答えは×(間違い)です。
「いずれか(片方)」ではなく、「乗務前と乗務後の『いずれも』対面で行うことができないとき」だけ、この中間点呼が必要になります。片方だけでも会社で対面点呼ができるなら、中間点呼の義務はありません。


【条文翻訳】この法律が本当に伝えたいこと

「泊まりがけの遠出など、出発するときも帰ってきたときも、両方とも会社で直接顔を合わせることができないドライバー(いずれも対面で行うことができない乗務員)を、2日間もほったらかしにしてはいけません。必ず運行の途中で、電話などを使ってお酒のチェックや体調の確認(中間点呼)を最低1回は行いなさい」

国は、運行管理者の目の届かない遠くで、ドライバーが体調不良を隠して運転したり、お酒を飲んで運転したりすることを絶対に禁止したいと考えています。そのため、対面点呼が一切できないスケジュールの場合には、途中のチェックを義務付けています。


【関係条文】貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条 第3項(点呼等)

第七条3 貨物自動車運送事業者は、乗務前及び乗務後のいずれの点呼も対面で行うことができない乗務員等に対しては、乗務前及び乗務後の点呼のほか、当該乗務員等の乗務の途中において少なくとも一回、電話その他の方法により点呼(※中間点呼)を行い、第二項第一号から第三号までに掲げる事項(※酒気帯びの有無、疾病、疲労、睡眠不足、日常点検等)について報告を求め、及び確認を行い、並びに指示を与えなければならない。