従業員に対する指導・監督その5-3大リスクドライバーの適性診断一覧
運行管理者試験で「この人は適性診断を受ける必要があるか?」と出たら、以下の3人のストーリーを思い出してください。全員、会社ではなく「自動車事故対策機構(NASVA)」などの外部の専門機関へ出向いてテストを受診する義務があります。
- ① 初任(しょにん)運転者【新人さん】
- 【受けるテスト】:初任診断
- 【タイミング】:初めてトラックに乗って仕事を始める前
- ② 事故惹起(じこじゃっき)運転者【重大事故を起こした人】
- 【受けるテスト】:特定(とくてい)診断Ⅰ
- 【タイミング】:死傷事故などを起こした後、再びトラックに乗って仕事を始める前
- ③ 高齢(こうれい)運転者【65歳以上のベテランさん】
- 【受けるテスト】:適齢(てきれい)診断
- 【タイミング】:65歳に達したとき(その後は3年以内ごとに1回ずつの受診が必要)
【その中で大切な解説】試験に100%出る「特定診断」と「適齢診断」の罠
試験では、この3人の「テストの名前」と「受診のタイミング(年齢や年数)」をあべこべにした引っ掛け問題が毎年必ず出題されます。
⚠️ 引っ掛けパターン①:事故を起こした人のテスト名で騙す
- バツ問題の例:「死傷事故を引き起こした運転者に対し、外部の専門機関において適齢診断を受けさせなければならない」
- 答えは×(間違い)です。事故を起こした人が受けるのは「特定の事故原因を調べる」という意味の『特定診断』です。「適齢診断」はおじいちゃんドライバーが受けるテストです。
⚠️ 引っ掛けパターン②:高齢ドライバーの年齢や周期の数字で騙す
- バツ問題の例:「65歳以上の運転者に対しては、2年以内ごとに1回、定期に適齢診断を受けさせなければならない」
- 答えは×(間違い)です。おじいちゃんドライバーの定期テストは『3年以内ごとに1回』です。2年ではありません。車検の周期(1年や2年)などの数字とごちゃ混ぜにさせて不合格にしようとしてくる定番の罠です。
そして、全員がNASVAなどで「受診した結果(データ)」は、会社の『運転者台帳』に運行管理者がハッキリと記録し、通常の日報(1年)とは違って個人の重いカルテとして【 3年間 】大切に保存しなければならないルールも、3人全員共通です。
【条文翻訳】この法律が本当に伝えたいこと
「新しく入った新人はもちろんのこと、大きな事故を実際に起こしてしまった人や、年齢(65歳以上)によって運転の能力が落ちてきている可能性のある高齢者は、そのまま公道を走らせると再び大事故を起こす危険性が極めて高いです。だから、会社の中だけで済ませず、必ず国が認めた専門の機関(NASVAなど)に行かせて、それぞれの状態に合わせた適性テスト(初任・特定・適齢診断)を『受診』させなさい。そして、その結果は3年間しっかり会社に保管し、安全管理に役立てなさい」
国は、リスクが高いと分かっているドライバーを、客観的なデータ(適性診断)なしに公道へ走らせることを完全に禁止したいと考えています。そのため、対象者ごとに専用のテスト(受診)を義務付け、その結果を厳しく管理させています。
【関係条文】貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条 / 第19条(完全版)
(指導監督等)
第十条2 貨物自動車運送事業者は、死傷事故等を引き起こした運転者(※事故惹起)、新任の運転者(※初任)又は高齢の運転者に対して、国土交通大臣が告示で定める適性診断を受けさせなければ(※受診させなければ)ならない。(運転者台帳)
第十九条 貨物自動車運送事業者は、運転者ごとに運転者台帳を作成し(中略)台帳には指導の実施及び適性診断の受診の状況を記載し、運転者が退職等をした日から三年間保存しなければならない。
