従業員に対する指導・監督その4

今回のテーマ:特別な指導の「実施時期」のルール

登場人物は、前回と同じ以下の3人のドライバーたちです。

  • 新人ドライバーAさん(初任運転者)
  • 事故を起こしたベテランBさん(事故惹起運転者)
  • 65歳以上の高齢ドライバーCさん(高齢運転者)

【その中で大切な解説】これが試験に出る実施時期のストーリー!

運行管理者は、リスクの高いこの3人に対して「特別な指導」を行うタイミングを、法律のスケジュール通りに厳しく管理しなければなりません。

それぞれの実施時期のルールは以下の通りです。

① 新人Aさん & 事故を起こしたBさん

  • 【実施時期】:原則として『再び(新しく)トラックに乗って仕事を始める前』!
    • 事故を防ぐための特別な教育ですから、「乗る前」に終わらせるのが大原則です。
  • 【例外ルール】:やむを得ない事情がある場合は『乗務開始後1ヶ月以内』でもOK!
    • どうしても乗る前に時間が取れなかったという場合(やむを得ない事情)に限り、トラックに乗り始めてから1ヶ月以内にバタバツと指導を行っても、法律違反にはなりません。

② 高齢ドライバーCさん(65歳以上など)

高齢のCさんの場合は、乗る前という概念がありません(すでに何年も会社でトラックに乗っているからです)。

  • 【実施時期】:『適齢診断(てきれいしんだん)の結果が判明した後、1ヶ月以内』!
    • Cさんは、65歳になったらまず目の検査などの「適齢診断」を受けに行きます。そのテスト結果の紙が会社に届いてから、1ヶ月以内に「Cさん、目の衰えをカバーするためにこういう運転をしましょうね」と特別な指導を行います。

⚠️ 試験に出る超頻出のひっかけパターン!

試験問題では、この「原則乗る前」や「結果判明後1ヶ月以内」という言葉を入れ替えて受験生を騙してきます。

  • バツ問題の例:「高齢運転者に対する特別な指導は、該当する運転者が65歳に達した日前1ヶ月以内に実施しなければならない」
    • 答えは×(間違い)です。診断テストを受ける「前」に指導をしても、どこが衰えているか分からないので意味がありません。正しくは、診断の『結果が判明した後1ヶ月以内』です。
  • バツ問題の例:「事故惹起運転者に対する特別な指導は、やむを得ない事情がある場合であっても、再度事業用自動車に乗務する前に実施しなければならない
    • 答えは×(間違い)です。原則は乗る前ですが、やむを得ない事情があれば『乗務開始後1ヶ月以内』という例外の逃げ道が認められています。

【条文翻訳】この法律が本当に伝えたいこと

「新しく入った新人や、大事故を起こしてしまったドライバーは、そのままトラックに乗せたらすぐにまた事故を起こす危険があります。だから、仕事としてトラックに選任して走らせる『前』に、必ず特別な指導を終わらせなさい。ただし、本当にやむを得ない事情があるなら、乗り始めてから『1ヶ月以内』にやることは大目にみましょう。また、高齢ドライバーへの指導は、先に体のチェック(適齢診断)を受けさせて、その悪いデータが『分かった後1ヶ月以内』に、個人の体の状態に合わせたアドバイスを速やかに行いなさい」

国は、危ない状態のドライバーを教育もせずに公道へ走らせることを絶対に禁止したいと考えています。そのため、行うべきタイミング(期限)を厳しく指定して、運行管理者に安全を先回りして守らせようとしています。


【関係条文】正しい実施時期のまとめ

試験で求められる正確な実施時期は以下の通りです。詳細は国土交通省の「自動車運送事業者等の事業用自動車の運転者に対する指導及び監督の指針」をご確認ください。

  • 事故惹起運転者・初任運転者:原則は乗務前。ただし、やむを得ない事情がある場合は乗務開始後1ヶ月以内
  • 高齢運転者:適性診断の結果が判明した後1ヶ月以内