増資したのに登記していませんか?募集株式の発行(増資)の変更登記、登録免許税は「増加額×0.7%」
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
事業が伸びて、資本金を増やす(増資する)会社が増えています。増資では、お金を払い込んだだけで終わりではなく、登記の手続きが必要になるとされています。
この記事の結論
- 株式会社の増資(募集株式の発行)では、発行済株式の総数と資本金の額の変更登記が必要とされています。
- 登録免許税は、増加した資本金の額の1000分の7(0.7%)で、これが3万円に満たない場合は3万円とされています。
- 非公開会社・取締役会非設置会社の場合の主な添付書類は、総会議事録または取締役決定書、株主リスト、申込証、払込証明書、資本金計上証明書などとされています。
登記の中身は「2つ」
法務局が公表している記載例(募集株式の発行・非公開会社のうち取締役会非設置会社)では、登記すべき事項は次のとおりです。
- 発行済株式の総数並びに種類及び数(変更後の総数)
- 資本金の額(変更後の額)
- 原因年月日(払込期日、または払込期間の末日)
登録免許税はいくら?
課税標準は、資本金の増加分(1,000円未満切り捨て)です。これに1000分の7を掛けた額が登録免許税とされ、3万円に満たなければ3万円になります。100円未満は切り捨てです。
| ケース | 計算の考え方 |
|---|---|
| 増加額が小さい場合 | 増加額×0.7%が3万円未満なら、3万円 |
| 増加額が大きい場合 | 増加額×0.7%(100円未満切り捨て) |
必要書類(取締役会非設置の非公開会社の例)
- ☐ 株主総会議事録または取締役決定書(募集事項の決定方法による)
- ☐ 株主リスト
- ☐ 募集株式の引受けの申込みを証する書面(株式申込証など)
- ☐ 払込みがあったことを証する書面(払込金受入証明書、または証明書と預金通帳の写し)
- ☐ 資本金の額の計上に関する証明書
- ☐ 委任状(代理人に依頼する場合のみ)
株主総会の当日を払込期日にすることはできない、という注意点も示されています。申込者への株数の通知は、払込期間の初日または払込期日の前日までに行う必要があるためとされています。
申請期限は?
会社法上、登記事項に変更が生じた場合は、一定の期間内に変更登記を申請することとされています(一般に2週間以内と説明されます)。法務局の記載例には期限の記載がないため、具体的な起算点は、管轄の法務局で確認してください。
資本金が変わると、許可の手続きにも影響することがある
建設業許可など、資本金の額が許可の記載事項になっている業種では、資本金の額が変わったときに、許可行政庁への変更の届出が必要になる場合があります。登記だけで終わらせず、許可を持っている場合は、あわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q1. 増資の登記は、自分でもできますか?
A. 会社自身が申請することは可能とされています。ただし、登記申請の代理は司法書士の業務です。書類の作成に不安があれば、司法書士にご相談ください。
Q2. 株主総会の日にお金を払い込んでもらえば、早く終わりますか?
A. 株主総会の当日を払込期日とすることはできないとされています。日程の組み方に注意が必要です。
ワンポイントアドバイス
増資を検討する段階で、「登記」「税務」「許可の届出」の3つを洗い出しておくと、手戻りを減らせると考えられます。税務は税理士、登記の代理は司法書士の領域です。
まとめ
増資は、お金を入れるだけでなく、登記と許可の届出までがひとつながりの手続きです。
ここまでが全体像です。ただし、会社の形態(取締役会の有無、公開会社かどうか)によって、必要な書類や手順は変わります。当事務所では、許可の変更届出などの整理をお手伝いしています。「この段階のご相談で構いません」。増資を考え始めた時点で、お気軽にご相談ください。