その株式、誰にでも譲渡できますか?譲渡制限を付ける理由と承認手続きを整理
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。これから株式会社を設立される経営者様から、「定款に『株式の譲渡制限』という項目があるが、これは何のためのものか」というご質問をいただくことがあります。
この記事の結論
- 株式会社の株式は本来自由に譲渡できるのが原則ですが、定款で「譲渡制限株式」と定めることで、会社の承認がなければ譲渡できないようにすることができるとされています。
- 中小企業の多くが譲渡制限を付けているのは、望まない第三者が株主になることを防ぐためとされています。
- 譲渡を承認する機関は、原則として株主総会(取締役会設置会社では取締役会)とされていますが、定款で別段の定めをすることもできるとされています。
株式譲渡自由の原則と、なぜ制限をかけるのか
会社法では、株式は自由に譲渡できるのが原則とされています。しかし、中小企業の多くは、定款に「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会(取締役会設置会社は取締役会)の承認を受けなければならない」といった内容を定め、株式を「譲渡制限株式」としているとされています。これは、経営に関与してほしくない第三者が株主として入り込むことを防ぎ、株主構成を経営者の目の届く範囲にとどめるための仕組みとされています。
譲渡制限株式の承認手続きの流れ
譲渡制限株式を譲渡しようとする株主は、会社法136条に基づき、譲渡する株式の数や譲り受ける者の氏名・名称を明らかにして、会社に承認を請求できるとされています。この承認の可否は、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議によって決定されるとされていますが、定款に別段の定めがある場合はそれに従うとされています。
会社が承認する旨を決定した場合は、株主は自由に当該株式を譲渡できるとされています。一方、会社が承認しない旨を決定した場合、会社法140条に基づき、会社自身が対象株式を買い取るか、指定買取人を指定して買い取らせる必要があるとされています。会社が買い取る場合の対象株式数等は、株主総会の特別決議で定める必要があるとされています。
譲渡制限を付けるメリットと注意点
譲渡制限を付けることで、経営に関与してほしくない第三者の参入を防げる一方、株式の流動性は下がるとされています。また、譲渡制限会社であっても、相続や合併などの一般承継による株式の移転には、原則としてこの承認手続きは適用されないとされていますので、事業承継を検討する際は別途の対策(定款による相続人等に対する売渡請求の定めなど)をあわせて検討することが望ましいとされています。
確認しておきたいチェックリスト
- ☐ 自社の定款に株式の譲渡制限に関する定めがあるか確認したか
- ☐ 承認機関が株主総会か取締役会か、定款で確認したか
- ☐ 譲渡承認請求があった場合の社内の対応フローを把握しているか
- ☐ 相続等による株式の分散リスクへの対策(売渡請求の定め等)を検討したか
よくある質問
Q1. 譲渡制限を付けていない会社(公開会社)もありますか?
A. 定款に譲渡制限の定めを置かない会社(公開会社)も存在するとされていますが、上場企業など一部を除き、中小企業の多くは非公開会社(全株式譲渡制限会社)として運営されているとされています。
Q2. 会社が譲渡を承認しない場合、株主は株式を持ち続けるしかないのですか?
A. 会社が承認しない旨を決定した場合、会社法140条に基づき会社または指定買取人が当該株式を買い取る義務を負うとされていますので、株主が株式を売却する道は確保されているとされています。
ここまでが譲渡制限の基本的な仕組みです。ただし、実際の買取価格の算定や相続対策を含めた事業承継設計は、税理士・弁護士と連携した個別の検討が必要になる場合があります。定款作成や譲渡承認手続きの整理でお困りの際は、当事務所にお気軽にご相談ください。
まとめ
株式の譲渡制限は、望まない第三者の株主参入を防ぐために多くの中小企業が定款に定めている仕組みとされています。承認機関や手続きの流れを正しく理解しておくことが、円滑な会社運営につながるとされています。

