合同会社を株式会社にするには?「組織変更」3つのフェーズを図解
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「合同会社で始めたけれど、取引先の信用力を考えて株式会社にしたい」。そうした声を伺うことがあります。会社の種類を変える手続きは「組織変更」と呼ばれ、法人格の同一性を保ったまま会社形態だけを変更できるとされています。
『手続きが複雑そうで、何から始めればいいのか分からない』——そう感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事の結論
- 組織変更は「計画作成」「債権者保護手続」「効力発生・登記」の3フェーズで進むとされています
- 官報公告と1ヶ月以上の異議申述期間の確保が必要とされています
- 総社員の同意が原則として必要とされ、社員間の合意形成が前提になります
法人格は変わらない、形だけが変わる
組織変更は、解散・新設ではありません。
同じ法人格のまま、会社の種類だけを変える制度とされています。
そのため、契約関係や許認可の扱いも、廃業・新設のケースとは異なる整理になります。
3つのフェーズで全体像をつかむ
| フェーズ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ①計画作成 | 組織変更計画の作成、総社員の同意取得 | 社内調整の期間 |
| ②債権者保護手続 | 官報公告、知れている債権者への個別催告 | 1ヶ月以上 |
| ③効力発生・登記 | 組織変更の効力発生、組織変更登記の申請 | 登記申請〜完了まで |
特に②の債権者保護手続は、1ヶ月を下回る期間で進めることができないとされています。
ここを見落として、想定より時間がかかってしまうケースがあるようです。
公告方法の工夫で催告を省略できる場合も
定款で公告方法を日刊新聞紙掲載または電子公告と定めている合同会社が、官報とその定款所定の方法の両方で公告を行えば、知れている債権者への個別の催告を省略できるとされています。
ただし、通常の合同会社は官報公告のみを定款で定めているケースも多く、その場合は個別催告が必要になります。
理解度チェッククイズ
Q1. 組織変更における債権者保護手続の異議申述期間は、最短でどのくらい必要とされていますか?
A. 2週間以上 B. 1ヶ月以上 C. 3ヶ月以上
答え:B(官報公告及び催告において、1ヶ月を下らない期間が必要とされています)
Q2. 組織変更計画に必要な合同会社側の同意は?
A. 過半数の社員の同意 B. 総社員の同意 C. 業務執行社員のみの同意
答え:B(原則として総社員の同意が必要とされています)
よくある質問
Q. 組織変更すると、契約や許認可はそのまま引き継げますか?
A. 法人格の同一性は維持されるため、契約関係は原則として継続すると考えられますが、許認可によっては個別の届出・変更手続きが必要になる場合があります。
Q. 組織変更の登録免許税はどのくらいですか?
A. 資本金の額等に応じて算定されるとされており、個別の試算が必要です。
ここまでが全体像です。ただし実務では、許認可の種類や取引先との契約内容によって、追加で必要な手続きが出てくることがあります。この段階でのご相談で構いません。
組織変更計画の作成・債権者保護手続の整理までは行政書士がサポートできますが、組織変更登記の申請自体は司法書士の業務範囲とされています。税務上の取り扱いは税理士とも連携しながら、それぞれの専門家と役割分担して進めることをおすすめします。
まとめ
合同会社から株式会社への組織変更は、計画作成・債権者保護手続・効力発生と登記という3つのフェーズで進むとされています。「手続きが複雑そうで進め方が分からない」というお悩みは、ぜひ当事務所へご相談ください。

