定款認証、公証役場に行かなくていい?テレビ電話認証の対象と流れ
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「会社を作りたいが、平日に公証役場まで行く時間が取れない」というお声を、起業をお考えの方から伺うことがあります。実は2019年3月29日から、定款認証の一部はテレビ電話で行えるようになっているとされています。今回は、この制度の対象と流れを整理します。
この記事の結論
- 2019年3月29日から、株式会社等の電子定款は、公証役場に出向かずテレビ電話で認証を受けられるとされています。
- 合同会社はそもそも定款認証自体が不要なため、この制度の対象には含まれないとされています。
- 事前に定款案を公証役場でチェックしてもらう工程が必要で、当日いきなり使える制度ではないとされています。
そもそも「テレビ電話認証」とは
電子定款の認証は、これまで発起人本人または委任を受けた代理人が公証役場へ出向いて行うのが基本でした。2019年3月29日からは、発起人自身が電子署名をしてオンラインで申請する場合、または代理人が電子署名をしてオンラインで申請する場合に、公証人とのやり取りをテレビ電話で行い、公証役場に出向かずに認証を受けられるようになったとされています。
使えるのは株式会社だけ?対象法人を整理
テレビ電話による電子定款認証の対象となるのは、株式会社、一般社団法人・一般財団法人、弁護士法人・税理士法人・司法書士法人・行政書士法人など、そもそも定款認証が必要な法人とされています。株式会社等の場合、法人成立時に実質的支配者となるべき者の氏名・住居・生年月日等や、暴力団員・国際テロリストに該当しないかを申告する書面の提出も必要とされています。
「合同会社だから使えない」わけを勘違いしていませんか
合同会社は、そもそも定款の認証を受ける必要がない会社形態とされています。定款の作成自体は必要ですが、公証人による認証手続きがないため、テレビ電話認証という制度の対象にもなりません。「合同会社はテレビ電話認証が使えないから不便」という誤解をされる方もいますが、正確には「認証という工程自体がない」というのが実態です。
認証までの流れと事前準備
一般的な流れとしては、まず定款案を管轄予定の公証役場に事前送付し、内容のチェックを受けます。内容に問題がなければ、テレビ電話による認証日時を予約し、当日は運転免許証等の本人確認書類を用いた本人確認と、電子署名の確認を経て認証が行われるとされています。認証手数料は、出向く場合と比べて金額が変わるものではないとされています。事前チェックのやり取りに一定の日数がかかるため、設立日から逆算したスケジュール管理が必要です。
チェックリスト
- ☐ 設立する法人形態が、定款認証が必要な種類(株式会社・一般社団法人等)かどうか確認したか
- ☐ 定款案を事前に公証役場へ送付し、チェックを受ける時間を見込んでいるか
- ☐ 本人確認書類(運転免許証等)を準備しているか
- ☐ 電子署名の環境(マイナンバーカード対応のICカードリーダー等)を用意しているか
- ☐ 実質的支配者に関する申告書の準備ができているか
Q1. テレビ電話認証を使うと費用は安くなりますか?
A. 手数料そのものが安くなる制度ではないとされています。公証役場へ出向く手間や時間を省けることが主なメリットと考えられます。
Q2. どの公証役場でも対応していますか?
A. 対応状況は公証役場によって異なる場合があるため、利用を希望する場合は事前に管轄の公証役場へ確認することをおすすめします。
ワンポイントアドバイスとして、テレビ電話認証を利用する場合も、定款案の内容そのものに不備があると事前チェックの段階で差し戻しが発生し、結局スケジュールが延びることがあります。事業目的の書き方や機関設計など、内容面の精査は早めに済ませておくと安心です。
ここまでが制度の基本的な整理です。ただし実務では、法人の種類や公証役場ごとの運用によって細かな取り扱いが異なることがあります。
まとめ
- 2019年3月29日から、株式会社等はテレビ電話による電子定款認証を利用できるとされています。
- 合同会社は定款認証自体が不要なため、この制度の対象外です。
- 事前の定款案チェックと予約が必要なため、設立日から逆算した準備が求められます。
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