新しい事業、定款の目的に入っていますか?目的外の事業を始める前に確認したいこと
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
会社を経営していると、設立当初は想定していなかった新しい事業を始める場面が出てきます。「今の事業が軌道に乗ってきたので、関連する分野にも広げたい」というご相談は、業種を問わずよく伺う内容です。
その際、意外と見落とされがちなのが「定款に定めた目的」との関係です。
この記事の結論です。
- 新しい事業が定款の「目的」に含まれていない場合、目的変更登記が必要になるとされています。
- 変更登記を怠ると、会社法上、代表者個人に過料が科される可能性があるとされています。
- 過料の有無にかかわらず、目的に記載のない事業は、融資審査や許認可申請の場面で支障が出ることがあると考えられます。
なぜ目的外の事業が問題になるのか
会社の「事業目的」は、定款に記載され、登記事項ともなっています。この目的は、会社がどのような事業を行う法人なのかを示す、いわば会社の名刺のような役割を持っています。
実務上、目的の範囲外の取引が直ちに無効になるわけではないとされていますが、目的に記載のない事業を行っていると、金融機関からの融資審査、許認可の申請、取引先からの信用確認などの場面で、事業内容の説明に手間がかかったり、疑問を持たれたりすることがあると考えられます。
目的変更登記の手続き
定款の目的を変更するには、株主総会の特別決議で定款変更を行い、変更後の内容を法務局に登記する必要があるとされています。
会社法第915条第1項により、登記事項に変更が生じた場合は、原則として2週間以内に変更登記をしなければならないとされています。目的の追加・変更もこの登記事項に含まれます。
放置した場合のリスク(過料)
会社法第976条では、登記を正当な理由なく怠った場合、代表者個人に100万円以下の過料が科されると定められているとされています。
実務上は、悪質なケースや長期間の放置でない限り、数万円から十数万円程度の過料にとどまることが多いとされていますが、金額の大小にかかわらず、代表者個人が過料の対象になる点には注意が必要です。
チェックリスト
- ☐ 現在行っている事業が、すべて定款の目的に含まれているか
- ☐ 新しい事業を始める予定がある場合、目的変更登記の準備をしているか
- ☐ 登記事項の変更から2週間以上経過していないか
- ☐ 許認可の申請を予定している場合、目的の記載が要件を満たしているか
よくある質問
Q1. 目的を追加するだけでも登記は必要ですか?
A. 目的の追加も定款変更・登記事項の変更にあたるため、株主総会の特別決議と変更登記が必要になるとされています。
Q2. 許認可の申請で「目的」が問題になることはありますか?
A. 建設業許可や運送業許可など、一部の許認可では、事業目的に該当する記載があることが申請要件とされている場合があります。新しい許認可を取得する予定がある場合は、目的の記載もあわせてご確認いただくことをおすすめします。
ワンポイントアドバイス
新しい事業を検討し始めた段階で、まず現在の定款の目的欄を確認しておくと、後から慌てて変更登記をする事態を避けられます。なお、事業拡大にともなう資金調達や税務上の影響については、税理士のご相談も適宜ご案内いたします。
まとめ
新しい事業を始める前には、その事業が定款の目的に含まれているかを確認し、含まれていない場合は目的変更登記を行う必要があるとされています。放置すると過料の対象になる可能性があるだけでなく、許認可や融資の場面でも支障が出ることが考えられます。
目的変更登記のご相談は、行政書士だいち法務事務所までお気軽にお問い合わせください。

