そのリコール通知、点検記録は残っていますか?運送業者が対応すべきポイント
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「保有車両にリコールの案内が来たけれど、点検記録の書き方や保存期間がこれで合っているのか不安」というお声を、運送業の事業者様からうかがうことがあります。2026年8月にも、大型トラックの一部車種で大規模なリコールが届け出られたと報じられており、実際に対象車両を保有する事業者様にとっては他人事ではないテーマとされています。
この記事の結論
- 2026年8月18日、大型トラック「スーパーグレート」約5万6566台のリコールが国土交通省に届け出られたと報じられています。
- 運送事業者には、事業用自動車の定期点検を実施し、点検整備記録簿を作成・保存する義務があるとされています。
- リコール対応そのものは販売会社・認証整備工場が窓口となりますが、点検記録の保存や整備管理者の対応状況は、監査等で確認される事項の一つと考えられます。
今回のリコール、何が対象とされているのか
三菱ふそうトラック・バスは2026年8月18日、大型トラック「スーパーグレート」について、国土交通省にリコールを届け出たと報じられています。対象は49型式・計5万6566台で、2017年3月から2024年6月にかけて製作された車両とされています。
不具合の原因は、トランスミッション制御ECU(TCM)と排気後処理制御装置用ECU(ACM)のハーネス配線の耐摩耗性の検討が不十分だった点にあるとされ、走行振動などにより配線の被覆が摩耗し、内部の電線が露出・腐食するおそれがあると報じられています。走行を続けると警告表示が出たり、最悪の場合はエンジンが停止して走行不能になるおそれがあるともされています。
点検整備記録簿、保存期間は道路運送車両法で定められています
事業用自動車については、3か月ごとの点検と12か月ごとの点検(12か月点検は認証整備工場での実施が必要とされています)を行い、点検整備記録簿に所要事項を記載して保存することが求められているとされています。定期点検記録簿の保存期間は、道路運送車両法第48条に基づき1年間とされています。
リコール対応で車両を入庫させた際の点検・改善措置の記録も、こうした点検記録の一部として整理しておくことが望ましいと考えられます。整備管理者の選任状況を含め、記録の管理体制は運輸支局等の監査で確認され得る事項の一つとされています。
車両を保有する事業者様が確認しておきたいポイント
- ☐ 保有車両がリコール対象に該当するかを、メーカー・販売会社の案内で確認したか
- ☐ リコール対応(入庫・改善措置)の実施記録を残しているか
- ☐ 定期点検記録簿を最新の状態で保存できているか(保存期間1年)
- ☐ 整備管理者が選任され、点検・整備の実施状況を把握できる体制になっているか
Q1. リコール対応は行政書士に相談できますか?
A. 車両そのものの整備・改善措置は、販売会社や認証整備工場が窓口となる領域とされています。行政書士が対応できるのは、点検記録の管理体制の整理や、運輸支局とのやり取りが必要な各種届出書類の作成支援などが中心と考えられます。
Q2. 点検記録の管理体制に不備があるとどうなりますか?
A. 監査等で記録の不備が指摘された場合、指導や行政処分の対象となり得るとされています。日頃から記録を整理しておくことが望ましいと考えられます。
ワンポイントアドバイス:リコール案内が届いたら、対応の要否だけでなく「いつ・誰が・どう対応したか」を記録に残しておくことが、後の監査対応にもつながると考えられます。
まとめ
2026年8月、大型トラックの大規模なリコールが届け出られたと報じられています。車両の改善措置自体は販売会社・整備工場が窓口となりますが、点検整備記録簿の保存や整備管理者の対応体制は、運送事業者様ご自身で日頃から整えておく必要がある事項と考えられます。
ここまでが全体像です。ただし実務では、車両の使用状況や事業所ごとの体制によって確認すべきポイントが異なります。記録管理の体制づくりについて、この段階でのご相談でも構いません。
※車両の具体的な整備内容については販売会社・認証整備工場に、労務管理に関するご相談は社会保険労務士にご相談いただくことをおすすめします。

