運転日報は何年保存?運送業の「業務の記録」、記載事項と保存期間の基本
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
運転者に日報(運転日報)を書いてもらっていても、「何を記録するのか」「何年残すのか」はあいまいなままという事業者は少なくないとされています。業務の記録は、監査の場面でも確認されやすい書類の一つです。ここでは、貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づく基本を整理します。
この記事の結論
- 貨物自動車運送事業者は、運転者等ごとに「業務の記録」を作成することが求められるとされています(輸送安全規則第8条)。
- 記録は「1年間」保存するとされています。
- 荷待ち・荷役作業・附帯業務の記録は、令和7年4月1日から全車両が対象に拡大されたと国土交通省が案内しています。
「業務の記録」とは?日報とほぼ同じ意味です
輸送安全規則第8条では、運転者等ごとに、業務に関する一定の事項を記録させることが定められています。一般には「乗務記録」「運転日報」と呼ばれているものがこれにあたると考えられます。
何を記録する?主な記載事項
- 運転者等の氏名
- 事業用自動車の識別(登録番号など)
- 業務の開始・終了の地点と日時、主な経過地点、走行距離
- 業務を交替した場合の地点と日時
- 休憩・睡眠をした場合の地点と日時
- (車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の場合)貨物の積載状況
- 荷主都合による待機(荷待ち)や荷役作業等を行った場合の地点・日時・内容
- 事故や著しい運行の遅延などがあった場合の概要と原因
上記は条文の主な項目です。運行記録計(タコグラフ等)で記録される事項は、記録計にない事項を付記することで代えられるとされています。
いつまで保存する?「1年間」が基本です
業務の記録は、1年間保存することとされています。
なお、運転者台帳(退職後も含めた保存)など、書類ごとに保存の考え方が異なります。書類ごとに整理しておくと、監査対応で慌てずに済むとされています。
荷待ち・荷役の記録は全車両が対象に
国土交通省は、荷待ち時間や荷役作業・附帯業務の「業務記録」への記録義務の対象が、令和7年4月1日から全車両に拡大されたと案内しています。これまで一部の大型車が中心だった事業者も、記録の見直しが必要になる場合があります。
チェックリスト
- ☐ 運転者ごとに業務の記録を作成している
- ☐ 休憩・経過地点・走行距離など、記載事項が日報の様式に入っている
- ☐ 荷待ち・荷役作業・附帯業務を記録する欄がある
- ☐ 保存期間(1年)を社内で決め、保管場所を決めている
- ☐ 運行記録計を使っている場合、付記すべき事項を確認している
よくある質問
Q. 手書きの日報でもよいのですか?
A. 条文は記載事項を定めており、手書きかデータかは様式を限定していないと考えられます。ただし必要事項が漏れなく記録されていることが前提です。具体的な運用は運輸支局にご確認ください。
Q. 保存期間の1年はいつから数えますか?
A. 起算点の詳細は個別の運用に関わるため、所管の運輸支局にご確認ください。
まとめ
業務の記録は「何を」「何年」が分かれば、整備はぐっと進みます。記載事項の漏れと、荷待ち・荷役の記録欄の有無をまず確認してみてください。
労務管理(労働時間の把握・36協定)は社会保険労務士、税務は税理士の領域です。当事務所では、運送業の許可・届出に関する手続きのご相談をお受けしています。

