その運賃、下請いじめになっていませんか?標準的運賃「浸透率35%」からみる元請・荷主の点検ポイント

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

2026年8月26日、国土交通省がトラック運送事業者・荷主企業を対象に実施した調査結果を公表し、2024年3月告示の「標準的運賃」を8割以上収受できた事業者は約35%にとどまっていることが明らかになったと報じられています。運送事業者向けの記事はこれまでも取り上げてきましたが、今回は発注する側である荷主・元請企業の視点から、確認しておきたいポイントを整理します。

この記事の結論

  • 標準的運賃を8割以上支払えている荷主・元請は限られており、業界全体として運賃水準が実勢と乖離している可能性が指摘されています。
  • 不当に低い運賃での取引は、下請法(令和8年1月施行の取適法を含む)や独占禁止法上の問題となり得るとされています。
  • 荷主・元請企業としては、運送委託契約の書面内容や運賃の設定根拠を、この機会に点検しておくことが望ましいとされています。

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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調査結果からわかったこと

全日本トラック協会の会員事業者約1,200社と、荷主企業約200社を対象にした調査では、運賃交渉を行った事業者は約9割にのぼる一方、標準的運賃の8割以上を収受できた事業者は約35%にとどまったと報じられています。運賃交渉自体は進んでいるものの、実際の収受額が十分に伴っていない実態がうかがえるとされています。課題としては「標準的運賃に強制力がないこと」が最も多く挙げられたとされています。

荷主・元請企業が確認しておきたいこと

令和8年1月施行の取適法(旧下請法)により、工事以外の委託取引(運送を含む)についても、不当に低い対価での取引が規制対象となり得るとされています。また、貨物自動車運送事業法の改正により、標準的運賃に代わって「適正原価」を下回る契約が制限される方向で段階的に制度が移行しているとされています。荷主・元請企業としては、下請けとなる運送事業者との契約内容や運賃設定の根拠を、今のうちに点検しておくことが望ましいと考えられます。

点検チェックリスト

  • ☐ 運送委託契約の内容が書面(契約書・運送状等)で明確になっているか
  • ☐ 運賃の設定にあたり、燃料費・人件費等のコスト上昇を反映する仕組みがあるか
  • ☐ 一方的な運賃据え置き・値下げ要請になっていないか
  • ☐ 免税事業者である下請運送事業者への対応が、消費税相当額の不払い等につながっていないか
  • ☐ 定期的な運賃見直しの機会を設けているか

よくある質問

Q1. 標準的運賃どおりに支払わないと、必ず違法になりますか。

A. 標準的運賃自体に法的な強制力はないとされていますが、著しく低い対価での取引を一方的に押し付けるような場合は、下請法・独占禁止法・取適法等の観点から問題となり得るとされています。個別の取引内容によって判断が異なるため、心配な点がある場合は専門家にご相談いただくことをおすすめします。

Q2. 運送契約の書面はどこまで整えればよいですか。

A. 役務の内容、対価、附帯業務の有無等を明記した契約書・運送状の整備が求められる方向にあるとされています。書式の見直しについては、行政書士にご相談いただくことも可能です。

ワンポイントアドバイス

運賃交渉や契約書の見直しは、下請けとなる運送事業者との信頼関係にも直結します。まずは現在の運送委託契約書を一度取り出し、金額の根拠や見直し条項が明記されているかを確認することから始めてみてください。なお、独占禁止法・下請法に関する具体的な違反の有無の判断や係争対応は弁護士へ、消費税等の税務面は税理士へおつなぎすることも可能です。

まとめ

標準的運賃を8割以上収受できている事業者が約35%にとどまるという調査結果は、荷主・元請企業にとっても運送委託契約を見直すきっかけになると考えられます。書面の整備や運賃設定の根拠を今のうちに点検しておくことをおすすめします。

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運送委託契約書の見直しや各種届出については、税務は税理士、労務は社会保険労務士とも連携しながら対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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