運送業許可の「任意保険」は何を求められる?|対人無制限・対物200万円以上の目安と、運輸開始届での確認
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
トラック運送業の新規許可に向けた相談では、「任意保険はどのくらいの内容で入ればいいのか」「いつまでに加入すればいいのか」という質問が出やすいとされています。
この記事の結論(3点)
- 関東運輸局が示す一般貨物自動車運送事業の許可申請の処理方針では、損害賠償能力として、人の生命・身体については被害者1名につき保険金の限度額が無制限、物については一事故につき200万円以上とされています。
- 許可申請では、保険料(自賠責保険・任意保険等の1年分)を資金計画に計上するとされています。
- 運輸開始届出書(様式6)には「対人賠償額無制限の保険に加入しました」という確認欄があり、保険内容が分かる書面の添付が求められるとされています。
任意保険は何のために見られるのか
運送事業では、万一の事故で被害者への賠償が滞らないよう、事業者に一定の「損害賠償能力」があることが許可の審査で確認されるとされています。自賠責保険だけでは足りない部分を、任意保険で補う考え方です。
処理方針に示された基準を整理する
| 項目 | 処理方針の記載 |
|---|---|
| 対象 | 貨物用事業用自動車が100両以下の事業者 |
| 対人(生命・身体) | 被害者1名につき保険金の限度額が無制限 |
| 対物(財産) | 一事故につき保険金の限度額が200万円以上 |
| 貨物の損害 | 運送中に生じた貨物の損害の賠償に必要な金額を担保できる保険に加入する計画があること |
※上記は関東運輸局の処理方針の記載です。詳細や最新の取扱いは、申請先の運輸支局等でご確認ください。
資金計画と運輸開始届でのポイント
許可申請の段階
資金計画(様式3-1)には、自賠責保険や任意保険等の保険料1年分を「別掲」として計上するとされています。対人・対物の賠償額は、様式3-2で選択して記載する形です。
運輸開始の段階
許可を受けて運輸を開始するときの運輸開始届出書(様式6)に、対人賠償額無制限の保険に加入したことを確認する欄があり、保険証の写しなど保険内容が確認できる書面の添付が求められるとされています。
許可がおりてから慌てて保険を探すと、運輸開始が遅れる原因になりかねません。
チェックリスト
- ☐ 対人賠償が無制限の内容で見積もりを取っている
- ☐ 対物賠償が1事故200万円以上の内容になっている
- ☐ 貨物の損害をカバーする保険の加入計画がある
- ☐ 資金計画に保険料1年分を計上している
- ☐ 運輸開始届に添付する保険証の写し等の準備を想定している
よくある質問
Q1. 自賠責保険に入っていれば任意保険は不要ですか?
A. 処理方針では、対人賠償額が無制限の保険への加入が基準に示されています。自賠責保険のみでこの基準を満たせるかどうかは、申請先の窓口でご確認ください。
Q2. どの保険会社を選べばいいですか?
A. 保険商品の選択・比較は保険会社や保険代理店の領域です。当事務所では許可申請の書類整理の面でお手伝いしています。
まとめ
運送業の新規許可では、対人無制限・対物200万円以上といった損害賠償能力の目安が示されているとされています。保険料は資金計画にも関わりますので、許可申請の準備と並行して早めに見積もりを取っておくと、運輸開始までの流れがスムーズになります。
保険の内容そのものは保険会社へ、税務は税理士へ、労務は社会保険労務士へご相談いただき、許可申請の手続き面は行政書士にご相談ください。
