交通事故なのに保険証は使える?整骨院に通う前に知りたい「第三者行為届」の出し方
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
交通事故でケガをした方から、「事故のケガには保険証は使えないと聞いたけれど本当?」という声を伺うことがあります。病院や整骨院の窓口で同じように言われて、戸惑う方も少なくないようです。
結論からお伝えすると、交通事故のケガでも、所定の届出をすれば健康保険を使えるとされています。この記事では、そのために必要な「第三者行為による傷病届」の基本を整理します。
この記事の結論
- 交通事故のケガでも、業務中・通勤中でなければ健康保険を使って治療を受けられるとされています。
- 使う場合は、加入している保険者へ「第三者行為による傷病届」を提出する必要があるとされています。
- 示談をする前に保険者へ連絡することが大切とされています。
なぜ「事故のケガに保険証は使えない」と言われるのか
交通事故の治療費は、本来、加害者(とその保険)が負担すべきものです。そのため「健康保険の出番はない」と誤解されやすいと考えられます。
しかし、協会けんぽや柏市の案内では、業務上や通勤途中のケガでなければ、交通事故でも健康保険を使って治療を受けられるとされています。この場合、健康保険が治療費をいったん立て替え、後日、保険者が加害者側へ過失割合に応じて請求する仕組みとされています。
なお、仕事中・通勤中のケガは原則として労災保険の対象となり、健康保険は使えない場合があるとされています。
「第三者行為による傷病届」とは
他人(第三者)の行為によるケガで健康保険を使うときに、加入している保険者へ提出する届出です。国民健康保険の場合、届出は国民健康保険法施行規則第32条の6に基づく法律上の義務とされています。
どこに出す?
提出先は、加入している健康保険によって異なります。
- 会社員などで協会けんぽに加入している方:協会けんぽの各支部
- 健康保険組合に加入している方:各健康保険組合
- 柏市の国民健康保険に加入している方:柏市役所本庁舎の保険年金課、または沼南支所
主な添付書類
柏市国保や協会けんぽの案内では、主に次の書類が挙げられています(保険者によって様式や名称が異なります)。
- 第三者行為による傷病届
- 事故発生状況報告書
- 交通事故証明書(人身事故扱いでない場合は、人身事故証明書入手不能理由書)
- 念書・同意書・誓約書など、保険者が定める書類
すぐに書類をそろえられない場合は、まず電話などで保険者に事故の状況を伝え、後日できるだけ早く届書を提出するよう案内されています。
整骨院に通う前に気をつけたいこと
整骨院(接骨院)で健康保険を使った施術を受ける場合も、届出は原則として患者さんご自身が行うものとされています。施術所が代わりに出してくれるとは限らないため、早めに確認しておくと安心です。
また、次の点にも注意が必要とされています。
- 示談をする前に、必ず保険者へ連絡すること(示談の内容によっては、保険者が加害者に請求できなくなり、思わぬ負担が生じるおそれがあるとされています)
- 加害者から治療費を既に受け取っている場合は、その旨を報告すること
- 飲酒運転や無免許運転によるケガなど、給付が制限される場合があること
提出前のチェックリスト
- ☐ 仕事中・通勤中の事故ではない(該当する場合は労災保険を確認)
- ☐ 自分が加入している保険者(協会けんぽ・健保組合・国保)を確認した
- ☐ 警察へ人身事故として届け出ている
- ☐ 交通事故証明書を取得した、または取得の手配をした
- ☐ 示談前に保険者へ連絡した
よくある質問
Q1. 届出をしないで健康保険を使うとどうなりますか?
A. 国民健康保険では届出は法律上の義務とされています。保険者が加害者へ請求する手続きに支障が出るため、使う場合は速やかに届け出ることが求められています。
Q2. 自賠責保険と健康保険、どちらを使えばいいですか?
A. 状況によって考え方が異なります。ご自身の過失割合や、加害者側の保険の対応状況などを踏まえて判断することになるため、迷う場合は保険者や専門家へご相談ください。
Q3. 書類が多くて自分で書ける自信がありません。
A. 事故状況の整理や書類の準備でお困りの場合は、当事務所でもご相談を承っています。
ワンポイントアドバイス
事故の日時・場所・相手の連絡先・保険会社名は、記憶が新しいうちにメモしておくと、届出書類を作るときに役立ちます。
まとめ
交通事故のケガでも、業務中・通勤中でなければ、健康保険を使って治療や施術を受けられるとされています。その際は、加入している保険者へ「第三者行為による傷病届」を提出し、示談の前に連絡することが大切です。
「何から手をつければいいかわからない」という段階のご相談でも構いません。事故後の書類の整理は、柏市の行政書士だいち法務事務所へお気軽にご相談ください。なお、示談交渉や損害賠償額の交渉は弁護士の業務となります。必要に応じて弁護士をご紹介します。