その500万円、残高証明の日付で使えなくなるかも?建設業許可の財産的基礎、証明方法の落とし穴
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
建設業許可のご相談では、「500万円は用意できているのですが、どの書類で証明すればいいのでしょうか」という声を伺うことがあります。
実は、500万円があっても、証明書類の取り方や日付によっては、要件の確認に使えないとされる場合があります。
この記事の結論
- 新規申請では、直前の決算の「純資産合計」が500万円以上かどうかで判断されるとされています。
- 決算で500万円に届かない場合は、500万円以上の資金調達能力を残高証明書や融資証明書で示す方法があり、その証明基準日は申請日前1か月以内とされています。
- 許可を受けて5年継続した実績がある更新申請等では、別の扱いとなる場合があります。
「通帳に500万円ある」だけでは足りない場合があります
千葉県の「建設業許可の手引(令和7年4月版)」では、一般建設業の財産的基礎は、直前の決算における自己資本(貸借対照表の「純資産合計の額」)が500万円以上であることを基本としています。
つまり、見られているのは「いま通帳にいくらあるか」ではなく、まず決算書の数字です。
ここを知らずに残高だけを気にしてしまうのが、最初の落とし穴です。
決算で届かないときは「資金調達能力」で示します
直前の決算で純資産が500万円に届かない場合でも、500万円以上の資金調達能力があると認められる方法があります。
この場合、残高証明書または融資証明書が必要で、証明基準日が申請日前1か月以内のものとされています。
用意した時期が早すぎると、申請時点では古い証明書になってしまうことがあります。
よくあるつまずきポイント(参考)
一般的な例として、Aさん(個人事業から法人化したばかりの経営者)が、申請の準備に時間がかかるうちに、先に取得した残高証明書の基準日が1か月を超えてしまい、取り直しになるケースが考えられます。(参考:実在の個別事例ではありません)
要件の確認チェックリスト
- ☐ 直前の決算書で、純資産合計が500万円以上か確認した
- ☐ 届かない場合、500万円以上の残高証明書または融資証明書を用意できるか確認した
- ☐ 証明書の基準日が、申請予定日の前1か月以内に収まる段取りになっている
- ☐ 許可を受けて5年継続の実績がある場合の扱いを、窓口の手引きで確認した
- ☐ 新規設立の場合は、創業時の財務諸表で判断される点を確認した
よくある質問
Q1. 500万円は現金で持っていないといけませんか?
A. 手引きでは、決算書の純資産合計、または残高証明書・融資証明書による資金調達能力の証明が示されています。具体的な書類は、所管窓口の最新の手引きでご確認ください。
Q2. 柏市の会社でも千葉県の手引きを見ればよいですか?
A. 営業所が千葉県内のみの場合は、千葉県知事許可の手引きが基本になるとされています。複数の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可の扱いとなります。
Q3. 更新のときも同じ証明が必要ですか?
A. 手引きでは、直前5年間許可を受けて継続して営業した実績がある場合の扱いが示されています。ご自身の場合に当てはまるかは、個別にご確認が必要です。
ワンポイントアドバイス
まず直前の決算書の「純資産合計」を確認してください。そこで500万円に届かない場合に、残高証明書の取得時期を申請日から逆算して決めると、取り直しを避けやすくなります。なお、決算書の見直しや資金面の判断は、税理士や金融機関へのご相談が適しています。
まとめ
建設業許可の財産的基礎は、「500万円あるか」だけでなく、「どの書類で、いつの時点を証明するか」まで見られる点がポイントとされています。ここまでが全体像ですが、実務では、会社の状況によって確認すべき点が変わります。
「自分の場合はどの方法になるのか整理してほしい」という段階のご相談でも構いません。
なお、税務・決算書の作成は税理士、社会保険・労務は社会保険労務士など、それぞれの専門家と連携して対応します。
