専任技術者、登録料はいくら?|建設業許可とCCUSの「登録」を混同していませんか
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「専任技術者(専技)を登録するのに、役所へいくら払うのか」というご質問をいただくことがあります。実はこの質問、調べていくと2つの異なる制度が混ざってしまっているケースが少なくないとされています。一つは建設業許可そのものの手数料、もう一つは建設キャリアアップシステム(CCUS)という別の制度の登録料です。これから開業する方が混乱しやすいポイントなので、整理しておきます。
この記事の結論
- 建設業許可の営業所技術者(専任技術者)要件そのものには、個人単位の「登録料」は無いとされています。会社が支払うのは、許可申請全体にかかる手数料(都道府県または国に納付)です。
- 「専技の登録料」として耳にする金額は、CCUS(建設キャリアアップシステム)という別の制度における、技能者(個人)の登録料を指している可能性があるとされています。
- CCUSの技能者登録料は、インターネット申請で2,500円(簡略型)または4,900円(詳細型)とされ、運営元は一般財団法人建設業振興基金です。市区町村への支払いではありません。
建設業許可の営業所技術者(専任技術者)要件に、個人の登録料はない
建設業許可を取得する際、営業所技術者(専任技術者)になる人の資格や実務経験を証明する書類は必要ですが、その人個人が役所に「登録」して料金を支払うという制度ではないとされています。会社が支払うのは、建設業許可の申請全体にかかる手数料です。国土交通省の資料によれば、都道府県知事許可の場合は新規申請90,000円・更新および業種追加50,000円、国土交通大臣許可の場合は新規申請150,000円(登録免許税)・更新および業種追加50,000円とされています。これは会社単位の許可にかかる費用であり、営業所技術者の人数によって金額が変わるものではないとされています。
「登録料」の正体は、CCUS(建設キャリアアップシステム)かもしれない
「専技の登録にお金がかかる」という話を耳にした場合、多くは建設業許可とは別の制度である「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の登録料を指していると考えられます。CCUSは、技能者(現場で働く個人)の資格・現場経験等を業界全体で登録・蓄積する仕組みで、運営元は一般財団法人建設業振興基金とされています。国の政策として普及が進められている制度ですが、建設業許可の営業所技術者要件そのものとは別の制度である点に注意が必要です。
CCUSの技能者登録にかかる費用の目安
CCUSの技能者登録料は、申請方法によって異なるとされています。インターネット申請の場合、簡略型で2,500円(税込)、詳細型で4,900円(税込)とされ、認定登録機関を経由する場合は4,900円(税込)とされています。登録の有効期間は、発行日から9年経過後最初の誕生日まで(60歳以上での申請は14年目の誕生日まで)とされています。あわせて、会社(事業者)側の登録料も別途必要とされ、資本金の額に応じて無料〜数百万円まで幅があるとされています。営業所技術者になる人自身がCCUSに登録するかどうかは、建設業許可の要件とは別に、会社の方針として検討することになります。
開業前にどちらを意識すればよいか
これから開業する方は、まず建設業許可の要件(営業所技術者の資格・実務経験・常勤性等)を満たせるかどうかを優先して確認することになります。CCUSへの登録は、建設業許可そのものの要件ではないとされていますが、公共工事の入札や元請からの現場入場の条件として求められるケースが増えているとされているため、事業の方向性によっては早めに検討しておくとよいと考えられます。「専技の登録料」という言葉を見聞きしたときは、どちらの制度の話をしているのかを一度確認する習慣をつけておくと、混乱を避けやすくなります。
チェックリスト
- ☐ 建設業許可の申請手数料(都道府県または国に支払うもの)を確認しているか
- ☐ 「専技の登録料」がCCUSの話と混同していないか確認しているか
- ☐ CCUSへの登録が自社の事業(公共工事の有無等)に必要かどうか検討しているか
- ☐ 営業所技術者になる人の資格・実務経験・常勤性の要件を優先して確認しているか
Q1. CCUSに登録しないと、建設業許可が取れませんか?
A. CCUSへの登録は、建設業許可の要件とは別の制度とされています。許可取得自体に必須ではないとされていますが、元請や発注者からCCUS登録を求められる場面が増えているとされているため、事業の方向性によっては別途検討する必要があります。
Q2. 営業所技術者(専任技術者)本人がCCUSに登録する場合、費用は誰が負担しますか?
A. 会社が負担するか本人が負担するかは、各社の方針によるとされています。決まったルールがあるわけではないため、社内でどう扱うかを事前に決めておくとよいと考えられます。
ワンポイントアドバイスとして、行政への手続き費用について調べる際は、「何という制度の、何の手続きにかかる費用か」を意識して調べると、情報が混ざりにくくなります。CCUSの利用に関する具体的な手続きは、建設業振興基金や、必要に応じて社会保険労務士等とも連携しながら進めることになります。
ここまでが登録料に関する基本的な整理です。ただし実務では、元請からのCCUS登録要請の有無や、対象となる工事の種類によって、検討すべき優先度が変わってくることが少なくありません。
まとめ
- 建設業許可の営業所技術者(専任技術者)要件そのものには、個人単位の登録料はないとされています。
- 「専技の登録料」という話は、CCUS(建設キャリアアップシステム)の技能者登録料(2,500円〜4,900円程度)を指している可能性があるとされています。
- 建設業許可とCCUSは別の制度であるため、どちらの話をしているかを区別して確認することが大切だと考えられます。
行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)
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