その経審、いつまで使えると思っていますか?|有効期間『1年7か月』のカラクリと空白期間の防ぎ方

「去年、経審を受けたから今年はまだ大丈夫」――本当にそうでしょうか?

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。公共工事の入札を目指す建設業者様から、「経営事項審査(経審)を毎年受けているつもりだったのに、気づいたら結果通知書の期限が切れていた」というご相談・お問い合わせが増えています。

経審の有効期間は、実は多くの方が思っているより短いとされています。

この記事の結論

  • 経審の結果通知書は、「審査基準日(決算日)」から1年7か月で効力を失うとされています。
  • 申請から結果通知書の交付までに一定の期間がかかるため、実際に使える期間は1年7か月よりも短くなると考えられます。
  • 有効期間の「空白期間」ができると、その間は公共工事の請負契約自体を締結できなくなるとされています。

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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経審は「受けた日」ではなく「決算日」から数えます

経審の有効期間について、多くの方が誤解しやすいポイントがあります。

それは、有効期間の起算点です。

国土交通省関東地方整備局の解説によれば、経営事項審査の結果通知書は「審査基準日から1年7か月の間」有効とされています。

この「審査基準日」とは、経審を申請した日や結果通知書を受け取った日ではなく、直前の事業年度の決算日を指すとされています。

つまり、経審の受審手続きに時間がかかればかかるほど、実際に使える期間は目減りしていく計算になります。

なぜ実質1年2〜3か月しかないと言われるのか?

公共工事を直接請け負うためには、契約締結日の1年7か月前以降の決算日を基準日とする経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要とされています。

ここで問題になるのが、決算日から結果通知書の交付までにかかる標準的な処理期間です。

一般的な目安は、次のように整理できます。

段階内容目安の期限
①決算日審査基準日が確定する―
②決算変更届の提出建設業許可の決算変更届を提出事業年度終了後4か月以内
③経営状況分析・経審申請分析機関への分析申請、経営規模等評価の申請決算変更届の後、速やかに
④結果通知書の交付総合評定値(P点)を含む結果通知書を受領申請から一定期間後

この一連の流れに一定の期間を要することを踏まえると、実質的に公共工事の入札に使える期間は、1年7か月よりもかなり短くなると考えられます。

決算が終わってから準備を始めるのではなく、決算日をまたいだ前後のスケジュールを、あらかじめ組んでおく必要があります。

空白期間ができると、進行中の入札からも外れます

前年の経審の有効期間が切れてから、当年の結果通知書を受け取るまでの間に「空白期間」ができてしまうケースがあるとされています。

この空白期間中は、公共工事の請負契約を新たに締結できなくなるとされています。

入札参加資格者名簿の扱いや、進行中の入札手続への影響についても、発注者ごとに確認が必要とされています。

毎年、切れ目なく経審を受け続けることが、公共工事を受注し続けるための前提条件になっています。

理解度チェッククイズ

Q1. 経審の有効期間「1年7か月」は、何を起算点としていますか?
A. 結果通知書を受け取った日
B. 経審を申請した日
C. 直前の事業年度の決算日(審査基準日)

答え:C。起算点は申請日でも受領日でもなく、審査基準日(決算日)とされています。

Q2. 経審の有効期間が切れて「空白期間」ができると、何が起こるとされていますか?
A. 罰金が科される
B. その間は公共工事の請負契約を新たに締結できなくなる
C. 建設業許可そのものが失効する

答え:B。建設業許可そのものが失効するわけではありませんが、空白期間中は公共工事の請負契約を締結できなくなるとされています。

決算後の申請が後回しになりかけたケース(参考)

ある建設業者様(仮にA社)は、決算が終わった後、日々の現場対応に追われて経審の準備を後回しにしてしまい、気づいたときには前年の有効期間の期限が目前に迫っていた、という例が業界ではよく聞かれます。

このようなケースでは、決算変更届と経審の申請を急いで進めることになり、担当者・事務所ともに慌ただしい対応を迫られやすいとされています。

逆に言えば、決算日が決まった時点で、経審までの一連のスケジュールをあらかじめ確認しておくことで、こうした慌ただしさは避けられると考えられます。

ワンポイントアドバイス

決算日が確定したら、その日のうちに「決算変更届の提出期限(4か月以内)」と「経審の受審スケジュール」をあわせてカレンダーに書き込んでおくことをおすすめします。なお、決算そのものの数値や税務処理については税理士の職域になりますので、決算内容についてのご相談は顧問税理士とも連携しながら進めることをおすすめします。

まとめ

経審の結果通知書は、審査基準日(決算日)から1年7か月で効力を失うとされています。申請から結果通知書の交付までに一定の期間を要するため、実際に使える期間はそれよりも短くなると考えられます。空白期間ができると、その間は公共工事の請負契約ができなくなるとされているため、決算日を起点とした逆算スケジュールの管理が重要です。

ここまでが基本的な仕組みです。ただし実務では、決算月や許可業種の数、変更届の内容によって必要な準備期間が変わってきますので、個別の状況に応じた確認が必要です。

「今年の決算はいつで、経審はいつまでに動けばいいのか整理してほしい」――そのようなお悩みは、ぜひこの段階のご相談で構いませんので、当事務所へお気軽にご相談ください。

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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