建設業許可の「特定」と「一般」、何が違う?|下請契約5,000万円(建築8,000万円)が分かれ目
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
建設業許可の申請をご検討中の方から、「うちは一般建設業と特定建設業、どちらを取ればいいのでしょうか」というご相談をいただくことがあります。金額の大きな工事を元請として受注する機会が増えてきた事業者様ほど、この区分に迷われる傾向があるようです。
この記事の結論
- 建設業許可は、下請契約の規模によって「一般建設業」と「特定建設業」の2つに区分されるとされています。
- 区分の分かれ目は、発注者から直接請け負った工事について、下請契約の総額が5,000万円(建築工事業の場合は8,000万円)以上となるかどうかとされています。
- この基準額は令和7年2月1日に引き上げられており、以前の基準(4,500万円・7,000万円)のままの情報には注意が必要とされています。
建設業許可は「一般」と「特定」の2種類にわかれます
建設工事を請け負う営業を行うには、軽微な工事(建築一式工事で1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、それ以外の工事で500万円未満の工事)を除き、建設業法に基づく許可が必要とされています。
この許可は、営業所の所在地によって「大臣許可」と「知事許可」に分かれるほか、下請契約の規模によっても「一般建設業」と「特定建設業」に区分されるとされています。
どちらの許可も、工事の種類(業種)ごとに取得する形になっており、許可の有効期間は5年間、5年ごとの更新が必要とされています。
分かれ目は下請契約の金額、令和7年2月から基準が引き上げられました
特定建設業の許可が必要になるのは、発注者から直接(元請として)請け負った工事について、下請契約の総額が一定額以上となる場合とされています。
国土交通省の公表情報によると、この基準額は令和7年2月1日より、建築工事業の場合は7,000万円から8,000万円へ、それ以外の工事業の場合は4,500万円から5,000万円へと、それぞれ引き上げられたとされています。
この基準を下回る場合は、一般建設業の許可で差し支えないとされています。
| 区分 | 下請契約総額の目安 | 必要な許可 |
|---|---|---|
| 建築工事業 | 8,000万円以上 | 特定建設業許可 |
| 建築工事業以外 | 5,000万円以上 | 特定建設業許可 |
| 上記に満たない場合 | - | 一般建設業許可で足りるとされています |
元請専門・自社施工中心なら「一般」で足りるケースが多いとされています
注意したいのは、この基準はあくまで「下請に出す金額」についてのものであるという点です。発注者から直接請け負う請負金額そのものには、一般・特定を問わず制限がないとされています。
つまり、比較的大きな工事を元請として受注していても、その大半を自社で直接施工し、下請契約の総額が基準額未満にとどまっているのであれば、一般建設業の許可でも差し支えないとされています。
また、下請負人の立場で工事を施工する場合には、この金額制限自体がかからないとされています。
チェックリスト
- ☐ 発注者から直接請け負う(元請となる)工事があるか
- ☐ その工事の一部を下請に出す予定があるか
- ☐ 下請契約の総額が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になりそうか
- ☐ 現在の許可が「一般」か「特定」か、許可通知書で確認したか
- ☐ 許可の有効期間(5年)の更新時期が近づいていないか
Q1. 一般建設業許可から特定建設業許可への変更は可能ですか?
A. 許可行政庁への手続きにより、区分の変更(般・特新規等)が可能とされています。特定建設業許可は、財産的基礎など一般建設業より厳しい要件が求められるとされているため、事前の準備が必要とされています。
Q2. 特定建設業許可を取得すると、ずっと維持しなければなりませんか?
A. 下請契約の総額が基準額を下回る見込みであれば、一般建設業許可への切り替えを検討することも可能とされています。事業の実態に合わせて見直すことが望ましいとされています。
ワンポイントアドバイス
令和7年2月の基準額引き上げにより、これまで特定建設業許可が必要だった事業者様の中には、一般建設業許可で足りるようになったケースもあると考えられます。許可の区分にお悩みの際は、直近の下請契約の実績を整理したうえで確認されることをおすすめします。なお、財務内容の分析や税務面の判断は税理士の職域となりますので、必要に応じて連携して進めることになります。
ここまでが制度の全体像です。ただし実際の判断には、業種ごとの取扱いや個別の契約状況によって細かな違いがあるとされています。
まとめ
建設業許可は、下請契約の総額が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になるかどうかで、「一般」と「特定」に区分されるとされています。この基準は令和7年2月に引き上げられたばかりのため、古い情報のまま判断しないよう注意が必要とされています。

