医療法人の事業承継、期限切れと諦める前に|認定医療法人制度3年延長の内容
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
持分あり医療法人の理事長様やご家族から、「出資持分の整理は、もう令和8年中に終わらせないと間に合わないんですよね?」というお声を伺うことがあります。実は、この期限については令和8年度税制改正で見直しが行われたとされています。
この記事の結論です。
- 認定医療法人制度(持分なし医療法人への移行計画の認定)の申請期限は、当初令和8年12月31日までとされていましたが、令和8年度税制改正大綱により令和11年12月31日まで3年延長されるとされています。
- この制度を使うと、持分あり医療法人が持分なし医療法人へ移行する際の贈与税・相続税が猶予され、要件を満たせば最終的に免除される仕組みとされています。
- 移行後も6年間は認定要件を満たし続ける必要があり、満たせなかった場合は猶予されていた税額の納付が必要になるとされています。
なぜ「期限切れ」の誤解が生まれやすいのか
認定医療法人制度は、もともと期限付きの措置として設けられており、これまでも延長が繰り返されてきた経緯があるとされています。当初の期限が令和8年12月31日とされていたため、「今年中に手続きを終えないといけない」と考えている方も少なくないようです。
令和8年度税制改正大綱では、この認定の最終期限を令和11年(2029年)12月31日まで、さらに3年延長することが盛り込まれたとされています。
制度の基本的な仕組み
持分あり医療法人では、出資者に相続や退社が生じた際、持分の払い戻し請求によって医業継続が困難になるケースがあるとされています。認定医療法人制度は、こうした医療法人が持分なし医療法人へ計画的に移行する際、出資者にかかる贈与税・相続税を100%猶予し、一定の要件を満たせば最終的に免除する仕組みとされています。
移行後も注意が必要な点
認定を受けて持分なし医療法人へ移行した後も、6年間は認定時の要件(運営に関する基準等)を満たし続ける必要があるとされています。この期間中に要件を満たせなくなった場合、猶予されていた贈与税の納付が必要になるとされているため、移行後の運営体制も含めて検討することが望ましいと考えられます。
よくある質問
Q1. 令和8年中に手続きをしなくても大丈夫ですか?
A. 令和8年度税制改正大綱により、認定の申請期限は令和11年12月31日まで延長される見込みとされています。ただし、移行計画の検討や出資者間の調整には時間がかかることが多いため、早めの準備が望ましいと考えられます。
Q2. すべての医療法人が対象ですか?
A. 対象となるのは持分の定めのある医療法人(持分あり医療法人)とされています。すでに持分なし医療法人として設立されている場合は対象外です。
ここまでが制度の全体像です。ただし実際の移行手続きでは、出資者の人数や関係性、法人の財務状況によって検討すべき論点が異なります。この段階でのご相談でも構いません。
まとめです。認定医療法人制度の申請期限は令和11年12月31日まで延長される見込みとされ、「令和8年で終わり」という認識は正しくない可能性があります。制度の仕組みを踏まえ、余裕を持って検討を進めることが望ましいと考えられます。
なお、税額の試算や申告に関するご相談は税理士へ、法人運営に関する労務面のご相談は社会保険労務士へ、それぞれ専門家におつなぎすることも可能です。

