その運送、実は「名義貸し」では?下請適正化と行政処分のリスク

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「許可を持っていない知人に、自社の名前で仕事を回してあげている」。悪気なくそうした形になっているケースが、業界内で話題になることがあるようです。しかし、これは貨物自動車運送事業法が禁じる「名義貸し」に該当する可能性があるとされています。

この記事の結論

  • 自社の名義を他人に利用させ、実質的に無許可の相手に運送業を営ませる行為は禁止されているとされています
  • 違反した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象となり得るとされています
  • 下請構造が複雑になるほど、意図せず名義貸しに近い形になっていないか点検が必要と考えられます

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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「名義貸し」とは何を指すのか

貨物自動車運送事業法第27条では、一般貨物自動車運送事業者が、その名義を他人に利用させて一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業を営ませたり、事業の貸渡しその他の方法によって他人にその名において事業を経営させたりすることが禁止されているとされています。

つまり、許可を持たない相手が、許可事業者の名前を借りて実質的に事業を行う形が対象になると考えられます。

よくある「気づかないうちに」のパターン

意図的な名義貸しでなくても、次のような運用が結果的に近い形になっていないか、確認しておく価値があります。

  • 許可のない知人・取引先の車両に、自社の緑ナンバーを使わせている
  • 実質的な運行管理を行わず、名前と許可番号だけを貸している状態になっている
  • 下請構造が複雑になり、実際の運行主体が誰か曖昧になっている

違反した場合のリスク

名義貸しに該当すると判断された場合、貨物自動車運送事業法第70条に基づき、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象となり得るとされています。あわせて、許可の取消しなど行政処分のリスクも考えられます。

確認しておきたいチェックリスト

  • ☐ 委託先・下請先が自社と同等の許可を保有しているか
  • ☐ 実際の運行管理・点呼を自社(または委託先自身)が行っているか
  • ☐ 契約書上、業務委託の範囲と責任の所在が明確になっているか
  • ☐ 実運送体制管理簿など、下請構造を記録する体制が整っているか

Q1. 下請に出すこと自体が名義貸しになりますか?

A. 適切な許可を持つ相手に、契約に基づいて業務委託すること自体は名義貸しとは異なると考えられます。問題になりやすいのは、無許可の相手に名前だけを貸す形です。

Q2. 家族や知人からの依頼でも注意が必要ですか?

A. 関係性にかかわらず、許可の有無と実際の運行主体が誰かという観点で判断されると考えられます。

ここまでが名義貸しに関する基本的な考え方です。実際の取引形態が該当するかどうかは、契約内容や運行実態によって判断が分かれます。不安な点があれば、早めのご相談をおすすめします。

労務管理に関するご相談は社会保険労務士とも連携しながら進めています。

まとめ

名義貸しは、悪意がなくても結果的に該当してしまう可能性がある行為とされています。下請・委託の実態を今一度点検し、気になる点があれば早めに確認することをおすすめします。

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