実運送していないから関係ない、と思っていませんか?利用運送事業者にも広がった改正法の新義務
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
「うちはトラックを持たず、他社に実際の運送を委託しているだけだから、貨物自動車運送事業法の改正には関係ない」——利用運送事業者の方から、そのように考えていたという声を伺うことがあります。しかし、2026年4月1日から、この考え方が当てはまらなくなったとされています。
この記事の結論
- 2026年4月1日から、貨物利用運送事業者にも新たな義務が課されることになったとされています。
- 対象となるのは、荷主から運送を引き受けて他社(実運送事業者)に委託する事業者です。
- 義務の内容は、書面交付・管理規程の整備・管理者の選任・管理簿の作成の4点に整理できるとされています。
もともと何が変わった改正だったのか
令和6年5月15日に公布された改正貨物自動車運送事業法では、令和7年4月1日から、主に次の3点が実運送事業者・元請事業者を中心に施行されたとされています。
- 運送契約締結時等の書面交付義務
- 委託先の健全な事業運営の確保に資する取組(健全化措置)の努力義務、運送利用管理規程の作成・運送利用管理者の選任義務
- 実運送事業者の名称等を記載した実運送体制管理簿の作成・保存義務
この段階では、自らトラックを保有せず他社に実運送を委託する「貨物利用運送事業者」は、直接の対象に含まれていなかったとされています。
2026年4月1日から、利用運送事業者にも義務が拡大
国土交通省の案内によると、2026年4月1日から、貨物利用運送事業者にも次の義務が新たに課されることとなったとされています。
- 真荷主との間での書面交付義務
- 運送利用管理規程の作成義務
- 運送利用管理者の選任義務
- 実運送体制管理簿の作成義務
「実運送をしていないから対象外」という理解のままだと、対応が漏れてしまう可能性があるとされています。
規程の届出が必要な事業者の範囲に注意
国土交通省が公開している届出様式(運送利用管理規程届出書・運送利用管理者選任届出書)は、「特別一般貨物自動車運送事業者」「特別第一種貨物利用運送事業者」「特別第二種貨物利用運送事業者」を対象としているとされています。自社が制度上どの区分に当てはまるかは、事業規模等によって異なるとされているため、個別の確認が必要です。
今すぐ確認しておきたいこと
- ☐ 自社が「特別」の付く区分の貨物利用運送事業者に該当するかどうか
- ☐ 荷主との運送契約について、書面交付の体制ができているか
- ☐ 運送利用管理規程を作成し、管理者を選任しているか
- ☐ 実運送体制管理簿を作成・保存できる体制になっているか
Q1. 自社が対象かどうか、どこで確認できますか?
A. 国土交通省が「トラック適正化二法について」のページでQ&Aを随時更新しているとされています。まずはそちらで区分・対象を確認したうえで、不明な点は運輸支局や専門家に相談することをおすすめします。
Q2. 規程や届出書類の作成は自分でもできますか?
A. 様式自体は公開されていますが、自社の実態に合わせた規程の作り込みや、必要書類の整理には一定の時間がかかるとされています。手続きに不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
ワンポイントアドバイスとして、まずは自社が「特別」に該当する事業者かどうかを確認するところから始めることをおすすめします。労務管理に関わる部分は社会保険労務士、資金繰りに関わる相談は税理士など、内容に応じて適切な専門家と連携することも大切です。
まとめ
2026年4月1日から、貨物利用運送事業者にも書面交付・管理規程の作成・管理者の選任・管理簿の作成という新たな義務が課されるとされています。「実運送をしていないから関係ない」と判断する前に、自社の区分と対応状況を確認しておくことが大切です。
制度・書式の詳細は税理士・社会保険労務士など他士業の業務範囲に関わる場合もあります。労務管理は社会保険労務士、税務は税理士など、内容に応じて適切な専門家と連携してください。

