専任技術者、掛け持ちはNG?1人1営業所の原則と令和6年改正の例外

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「知り合いの会社と、専任技術者を兼任してもらうことはできないか」というご相談を受けることがあります。営業所技術者(専任技術者)は、その営業所に専任(常勤・専従)であることが求められる立場のため、他の会社や他の営業所と自由に掛け持ちできるものではないとされています。ただし、令和6年12月の改正で、一定の条件のもとに兼務が認められるケースも新設されたとされています。これから開業する方は、この「原則」と「例外」を正しく理解しておく必要があります。

この記事の結論

  • 営業所技術者(専任技術者)は、原則として1つの営業所に常勤し、他の会社や他の営業所と兼任することはできないとされています。
  • 令和6年12月の改正で、一定の条件下(請負金額・移動時間・ICT活用等)を満たせば、限定的に兼務が認められるケースが新設されたとされています。
  • 「知り合いに名前だけ借りる」といった対応は、名義貸しにあたるおそれがあるため避ける必要があると考えられます。

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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原則:営業所技術者は「専任」であることが求められる

営業所技術者(専任技術者)は、その営業所に常勤し、専らその職務に従事することが求められるとされています。そのため、原則として次のようなケースは認められないとされています。

  • 同じ人が、複数の会社の営業所技術者を兼ねること
  • 同じ人が、同じ会社の複数の営業所を掛け持ちすること
  • 他の常勤を要する職(他社の役員・従業員等)と兼務すること

「実務経験も資格もある知人に、名前だけ登録してもらう」という対応は、常勤の実態が伴わない限り、名義貸しにあたるおそれがあり、建設業法上の問題になり得るとされています。

令和6年12月改正で新設された例外

令和6年12月13日施行の改正では、労働人口減少への対応などを背景に、一定の条件下で兼務を認める制度が新設されたとされています。具体的には、次のような要件を満たす場合に限り、営業所技術者が工事現場の主任技術者等の職務を兼務できるとされています。

  • 請負金額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること
  • 兼務できる工事現場は1現場に限られること
  • 営業所から工事現場への移動時間がおおむね2時間以内であること
  • 情報通信機器を活用するなど、一定の体制が整っていること

この例外は、あくまで限定的な条件のもとで認められるものであり、「掛け持ちが自由になった」というわけではない点に注意が必要だと考えられます。個別のケースで適用できるかどうかは、要件を丁寧に確認する必要があります。

これから開業する人が意識しておきたいこと

複数の営業所を展開する予定がある場合や、知人・親族の会社と人員を融通し合う予定がある場合は、開業前の段階で「誰が、どの営業所の営業所技術者になるのか」を明確にしておくことが重要だと考えられます。安易な兼任・名義貸しは、後から許可取消し等のリスクにつながる可能性があるとされているため、無理のない体制を組むことが望ましいと考えられます。

チェックリスト

  • ☐ 営業所技術者予定者が、他社や他の営業所と兼任していないか確認しているか
  • ☐ 「名前だけ借りる」形の登録を検討していないか(名義貸しのリスク)
  • ☐ 令和6年改正の兼務要件(請負金額・移動時間・ICT活用等)に該当するケースかどうか確認しているか
  • ☐ 複数営業所を展開する計画がある場合、営業所ごとに必要な人員を見積もっているか

Q1. 社長が2つの会社の営業所技術者を兼ねることはできますか?

A. 原則として認められないとされています。常勤性が求められるため、複数の会社で同時に営業所技術者となることは基本的にできないと考えられます。

Q2. 令和6年改正の兼務制度は、営業所同士の兼務にも使えますか?

A. この改正で新設された兼務は、営業所技術者が工事現場の主任技術者等を兼務するケースが中心とされています。営業所技術者同士が複数の営業所を掛け持ちすることまで認めるものではないとされているため、混同しないよう注意が必要です。

ワンポイントアドバイスとして、これから開業する方は、事業拡大の際に「人をどう配置するか」を先回りして考えておくと、後々の変更手続きがスムーズになります。安易な兼任・名義貸しに頼らない体制づくりが、結果的に許可の安定的な維持につながると考えられます。

ここまでが専任・兼任に関する基本的な考え方です。ただし実務では、令和6年改正の例外要件に該当するかどうかの判断や、複数営業所の体制づくりについて、個別の確認が必要になることが少なくありません。

まとめ

  • 営業所技術者(専任技術者)は、原則として1つの営業所に専任であることが求められ、掛け持ちは認められないとされています。
  • 令和6年12月の改正で、一定条件下の限定的な兼務が新設されたとされていますが、自由な掛け持ちを認めるものではないとされています。
  • 安易な名義貸しは、許可取消し等のリスクにつながる可能性があるため避ける必要があると考えられます。

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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