その実務経験、足りていますか?施術管理者になるための受領委任ルールを整理
こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。
独立して接骨院・整骨院を開業したい、あるいは今の勤務先から独立を考えている、という柔道整復師の方からのご相談が増えているとされています。その中でよく話題になるのが、「健康保険の受領委任を扱う施術管理者になるには、資格の他に何が必要なのか」という点です。
この記事の結論
- 施術管理者になるには、柔道整復師の資格に加えて「実務経験」と「施術管理者研修の修了」が必要とされています。
- 2024年4月以降に届出する場合、実務経験は通算3年以上が必要とされ、そのうち少なくとも1年は施術所(登録施術所)での経験が必要とされています。
- 実務経験の証明には、勤務先の管理者による証明書と、有効期限内(発行から5年以内)の研修修了証の添付が必要とされています。
施術管理者になるにはなぜ「資格だけ」では足りないのか
柔道整復師の資格を持っていれば、以前は誰でも受領委任を取り扱う施術管理者になることができたとされています。しかし平成30年4月以降、受領委任制度の適正な運用を図る観点から、資格に加えて「実務経験」と「施術管理者研修の修了」が新たに要件として設けられたとされています。すでに施術管理者として働いている方でも、移転や施術管理者の変更などで届出をし直す場合は、この要件の対象になるとされている点にも注意が必要です。
実務経験は何年必要?段階的に引き上げられてきた年数を整理
必要な実務経験の年数は、制度開始からいきなり3年とされたわけではなく、次のように段階的に引き上げられてきたとされています。
| 施術管理者の届出時期 | 必要とされる実務経験年数 |
|---|---|
| 2018年4月〜2022年3月 | 1年以上 |
| 2022年4月〜2024年3月 | 2年以上 |
| 2024年4月以降 | 3年以上 |
現在は「2024年4月以降」の区分にあたるため、これから施術管理者として独立や開業を目指す方は、通算3年以上の実務経験を積んでおく必要があるとされています。
実務経験として認められる場所・認められない場所
実務経験としてカウントできる場所には、次のような条件があるとされています。
- ☐ 受領委任の取扱いを届け出ている登録施術所(接骨院・整骨院)での勤務経験
- ☐ 病院・診療所(整形外科クリニック等の保険医療機関)での勤務経験(ただしこの期間は最長2年までしか算入できず、残り最低1年は登録施術所での経験が必要とされています)
- ☐ 複数の施術所・医療機関での経験は合算が可能とされています(例:施術所1年+整形外科クリニック2年=通算3年)
一方で、介護施設・デイサービスでの勤務や、受領委任の取扱いを届け出ていない施術所での勤務は、実務経験として認められないとされています。転職・独立を検討する際は、勤務先が受領委任を取り扱っているかどうかを事前に確認しておくことが望ましいと考えられます。
実務経験の証明方法と、証明が難しくなるケース
実務経験の期間は、厚生労働省の通知に基づき「実務経験期間証明書」により証明するものとされ、この証明書は、柔道整復師が実務に従事した登録施術所や保険医療機関の管理者(開設者・施術管理者・保険医療機関の管理者)が作成するものとされています。
注意したいのは、勤務先の施術所がすでに廃業していたり、当時の管理者と連絡が取れなくなっているケースです。この場合、雇用期間中の給与明細や源泉徴収票が実務経験の証明資料として認められる場合があるとされていますが、あくまで連絡が本当に取れない場合の代替手段とされています。在職中から給与明細等を保管しておくことが、将来の独立準備として有効だと考えられます。
施術管理者研修とは
施術管理者研修は、公益財団法人柔道整復研修試験財団が主催しており、土・日・祝日を使った連続2日間・合計16時間の研修とされています。受講には事前の申込みが必要とされ、受講後2週間程度で研修修了証が発行されるとされています。この修了証は、発行(研修修了)から5年間有効とされているため、受講のタイミングにも注意が必要です。
届出の際に必要な書類(概要)
受領委任を取り扱う施術管理者としての届出には、一般的に次のような書類が必要とされています(地域や個別の状況により異なる場合があるため、詳細は所轄の厚生局・保健所へのご確認をおすすめします)。
- ☐ 施術所開設届出事項変更届(地域により書類名称が異なる場合があります)
- ☐ 柔道整復師免許証の写し
- ☐ 実務経験期間証明書の写し
- ☐ 施術管理者研修修了証の写し
- ☐ 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る申出書等(様式第4号等)
Q1. 実務経験の3年は、必ず1つの施術所で積む必要がありますか?
A. 複数の施術所・医療機関での経験を合算することができるとされています。ただし、実務経験として算入できる場所には条件があるため、勤務先が受領委任を取り扱う登録施術所かどうかを事前に確認しておくことが望ましいと考えられます。
Q2. 施術管理者研修は実務経験を積む前に受けてもよいですか?
A. 研修修了証には発行から5年間の有効期間が設けられているとされているため、実務経験の年数を満たす見込みの時期から逆算して受講時期を検討することが望ましいと考えられます。
まとめ
施術管理者になるための要件は、平成30年度の制度開始以降、実務経験年数が段階的に引き上げられており、2024年4月以降は通算3年以上の実務経験と研修修了が必要とされています。独立や開業のタイミングから逆算して、実務経験を積む場所や研修の受講時期を計画しておくことが重要だと考えられます。
実務経験の算入可否の判断や、届出に必要な書類の準備でご不明な点があれば、行政書士だいち法務事務所までお気軽にご相談ください。なお、給与や社会保険に関するご相談は社会保険労務士、税務に関するご相談は税理士がそれぞれの専門となりますので、あわせてご案内いたします。
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