建設業の下請契約、書面での取り決めはできていますか?見積書・契約書のポイント

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。千葉県・埼玉県の建設業者様からのご相談も承っております。

建設業の現場では、「見積書はもらったが契約書は交わしていない」「追加費用の取り決めが口約束のまま」といったケースが見られることがあります。国土交通省は毎年、下請契約や下請代金の支払いに関するルールの徹底を建設業者団体に要請する通達を出しており、直近では令和7年12月16日付で発出されています。

今回は、この通達の内容をもとに、下請契約の書面化と見積書の作成について整理します。

この記事の結論

  • 下請代金は、見積書をもとにした発注者・受注者双方の協議によって設定することが求められています
  • 契約書には請負代金の額だけでなく、その他の記載事項も明示する必要があるとされています
  • 工期や請負代金額を変更する場合も、口頭ではなく書面での契約変更が徹底事項とされています

行政書士だいち法務事務所(代表:行政書士 和田一宏)

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見積書の作成と下請代金の設定

通達では、下請負人が注文者に交付する見積書を踏まえて、双方の協議による適正な手順で下請代金を設定することが求められています。下請代金は材料費だけでなく、一般管理費や建設副産物の運搬・処理に要する費用など、必要な諸経費を適切に考慮して設定することとされています。

また、改正建設業法第20条第1項の規定を踏まえ、材料費等を内訳明示した見積書の作成に努めることも盛り込まれています。内訳のあいまいな見積りは、後々の代金トラブルの原因になりやすい点として留意が必要と考えられます。

原材料費の高騰と価格転嫁

近年の資材価格の高騰を踏まえ、価格等の変動に基づく工事内容や請負代金の変更方法についても、あらかじめ契約書面に記載しておくことが求められています。請負代金に影響を及ぼす事象が発生するおそれがある場合、受注者は契約締結前までにその旨を注文者に通知する必要があるとされ、変更協議の申し出があった場合、注文者は誠実に対応することとされています。

契約は必ず書面で

建設工事の請負契約は、着工前に書面で締結することが徹底事項とされています。国土交通省が示す建設工事標準下請契約約款、またはこれに準拠した契約書の利用が推奨されており、取引上の立場が強い元請負人から適切な内容の契約書面を提示することが望ましいとされています。工期や請負代金額を変更する際も、口頭ではなく書面での契約変更を徹底することが求められています。

確認しておきたいチェックリスト

  • ☐ 見積書には材料費・労務費等の内訳が明示されているか
  • ☐ 着工前に書面で契約を締結しているか
  • ☐ 工期・請負代金額の変更を口頭だけで済ませていないか
  • ☐ 資材価格変動時の対応方法を契約書に定めているか

Q. 見積書があれば契約書は不要ですか?

A. 見積書はあくまで金額提示の書面であり、契約書とは別のものとされています。通達では着工前の書面契約の締結が徹底事項として挙げられているため、見積書のみで契約書を交わしていない場合は注意が必要と考えられます。

Q. 契約書の書式は決まっていますか?

A. 国土交通省が示す建設工事標準下請契約約款、またはこれに準拠した契約書の利用が推奨されています。自社の実情に応じた書式を整えたい場合は、専門家に相談しながら整備することも一つの方法と考えられます。

まとめ

下請契約においては、見積書の内訳明示、着工前の書面契約、変更時の書面化という3つの基本を押さえることが、トラブル防止の第一歩になると考えられます。契約書の整備や見直しでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

なお、資金繰りや税務に関するご相談は税理士、労務・社会保険に関するご相談は社会保険労務士など、内容に応じて適切な専門家と連携してご案内いたします。

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